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「直毛さん必見:パーマで軽やかさを手に入れる方法」

“髪が真っすぐ落ちて動きが出ない”“カットラインが重く見えてシルエットが固くなる”――
直毛で悩むあなたにこそ知ってほしい、弱酸性パーマでつくる「くるっとふんわり」スタイルの魅力。
髪にやさしく、でもしっかりと動きを与えることができるこの技術は、見た目だけでなく毎日のスタイリング、気持ちまでも軽やかに変えてくれます。
今回は、直毛でカットラインの重さが気になるお客様のビフォー/アフターをもとに、なぜ弱酸性パーマが効果的なのか、どのように施術するか、仕上がり後のケア方法までたっぷりと解説します。
あなたの髪にも“くるっとふんわり”の魔法をかけてみませんか?

直毛で感じる「シルエットの重さ」とは何か?

直毛の髪質は、一本一本がまっすぐに生えている・癖がほとんどないという性質があります。これ自体は、扱いやすさやツヤ感という点では強みになりますが、一方で「髪全体としての動き・柔らかさ」が表現しづらくなるというジレンマがあります。

特に、重めのカットライン(レングスの終わりが切りっぱなし、段差が少ないなど)は、髪全体を「塊感」や「まとまりすぎ」に見せてしまいます。
これが、直毛の方が「いつも同じように見える」「スタイルが表情を伴いにくい」と感じる原因のひとつです。

さらに、髪の根元がペタッと下がってしまうと、ボリューム感がなくなり、印象的に“平坦”に見えてしまうことがあります。
そのため、「軽さ」や「動き」を加える工夫が、直毛スタイル改善の肝になります。

なぜ弱酸性パーマを選ぶのか?—メリットと注意点

弱酸性パーマとは?

パーマにはアルカリ性を使うもの、酸性寄りのもの、中性、そして弱酸性のものなどがあり、それぞれ髪への影響や仕上がり質感が異なります。
弱酸性パーマは、pH(ペーハー)が弱酸性側(酸性~中性寄り)に調整された薬剤を使う方法で、髪に与える負担を抑えながらカールを形成することを目指します。

弱酸性パーマのメリット

1.ダメージの抑制
 強いアルカリ性薬剤に比べ、髪のキューティクルを壊しにくく、内部のタンパク質の流出を抑えやすいという特徴があります。

2.やわらかな質感をつくりやすい
 硬くゴワゴワしにくく、自然なふんわり感や柔らかさが出しやすいです。

3.リスクの縮小
 髪が細い・ダメージがやや出ている・ハイトーンカラー毛などの方にも比較的安全性を高めた選択肢になりえます。


4.スタイル維持しやすい可能性
 適切なケアをすれば、比較的自然な形でカールが残りやすい傾向があります。

注意すべき点/デメリットも理解しておくこと

アルカリ性パーマと比べて、強く巻きすぎるとカールが弱まりやすい

長さや髪の状態によって、期待するカールが出しにくい場合がある

技術者の経験によって差が出やすい

ケアを怠るとせっかくのパーマも早く落ちてしまう

これらを理解したうえで、あなたの髪質・希望に合うかを相談することが重要です。

今回の施術例:くるっとふんわりカールを実現するプロセス

以下は、直毛かつカットラインの重さを感じていたお客様に対して、弱酸性パーマで“くるっとふんわり”を目指した施術の流れとポイントです。

1. カウンセリング・髪質チェック

最初に、以下の項目を丁寧にチェックしました:

髪の太さ、硬さ、癖の有無

過去の化学処理履歴(カラー・ブリーチ・矯正など)

現在のダメージレベル

今後のスタイリング希望(どのくらいのカール感が欲しいか、どれくらいの持ちを求めるか)

この段階で、重さを残すことでの無難な選択ではなく、「動きを出す」「ふんわり感を出す」方向でデザインを組み立てる意識を共有しました。

2. 薬剤選定・準備

適切な弱酸性薬剤を選び、pH調整・薬剤コントロールを行います。髪の状態が良好であれば、薬剤を少しマイルド寄りに設計し、少し時間をかけて浸透させる手法を取ることもあります。

また、内部補修剤やトリートメント、前処理剤などを併用することで、薬剤のストレスを緩和させ、仕上がりのやわらかさや艶感を高める準備を整えます。

3. 巻き・ロッドワーク

根元近くから立ち上がりを意識して巻く

毛先はゆるやかなカールを残すようなロッド選定

中間部分に無理なテンションをかけすぎないよう注意

スパイラルやミックス巻きを取り入れ、自然なニュアンスを出す

特に直毛の場合、最初からギュッと強く巻きすぎると、ダメージや硬さが目立ちやすいので、少し余裕を持たせた巻き方を心がけます。

4. 反応時間・中間チェック

薬剤反応を適切に管理しつつ、途中で毛髪の状態をチェック。微妙な硬さや抵抗の変化を感じ取り、必要に応じて反応時間を調整します。

5. 中間処理・トリートメント導入

パーマ施術の途中段階で中間処理を入れ、うるおい・補修成分を補填してあげることで、くるっとしたカールの質感を整えやすくします。

6. 仕上げ処理・中和・ニュアンス出し

最終的に残留薬剤を除去・中和を徹底。
そして、ロッドを外したあとにカールを“ほぐす”“整える”処理を丁寧に行います。
余分なテンションを抜きつつ、希望カールに近づけて調整していきます。

7. 仕上げスタイリング

柔らかめのスタイリング剤(ミルク系・クリーム系など)を使って、カールをつぶさないように手ぐしで整える。
必要に応じてディフューザーで根元を立ち上げつつドライ、最後に微調整でふんわり感をキープ。

仕上がりとお客様の変化—“くるっと”がもたらす印象のアップデート

施術後、お客様からは「くるっとしていて可愛らしい印象になった」という言葉をいただきました。
重さが取れて、ふんわりとした動きが髪全体にあることで、髪が柔らかく見え、シルエットも軽やかになった印象を引き出すことができたのです。

以前は「ただ真っ直ぐに落ちてしまう」という印象だった髪が、動きのある髪の毛に変わるだけで表情や雰囲気にも変化が生まれます。
また、朝のスタイリング時間が短くなったり、セットが決まりやすくなったりという“毎日の変化”も、大きな満足ポイントになります。

見た目の変化だけでなく、気分の変化も感じていただけたようで、「ふんわり感が出る髪になれて嬉しい」「もう少し早くやればよかった」と言ってくださることもありました。

スタイリングとホームケアのアドバイス

せっかく作ったカールを長持ちさせ、髪を健やかに保つためのポイントを以下にまとめます。

ドライ・乾かし方のコツ

根元を起こしながら乾かす
 根元を立ち上げるように風を当てながら乾かすと、ペタッとしにくくなります。

ディフューザー使用
 弱風・中温設定でディフューザーを使い、カールを潰さずに風を当てる

途中で一度止めて形をつくる
 髪が7〜8割乾いたら手ぐしでカールを確認・整えてから仕上げ乾かし

スタイリング剤選びと使い方

軽めのミルク系、クリーム系、オイル+軽いムース併用など

まず手のひらでよく伸ばしてから、中間〜毛先中心に塗布

根元付近にはつけすぎないよう注意

必要に応じて仕上げに軽いスプレーやソフトワックスでカールキープ

定期的なメンテナンス・トリートメント

週1回程度の集中トリートメント(補修系 or 保湿系)

サロンでの定期的なメンテナンス(パーマの持ちを延ばす処理や薬剤ケア)

紫外線や乾燥対策として、帽子・UVケアスプレーの併用

生活習慣で髪を守るポイント

髪に負荷をかける摩擦を減らす(タオルドライは優しく、シルクや綿の枕カバーなど)

熱の使いすぎ(高温アイロンや頻繁なブロー)を控える

栄養バランスの良い食事と十分な睡眠で髪の内側から健康を支える

まとめ:直毛だからこそ、ふんわりを手に入れよう

直毛の髪は、一見扱いやすさやツヤ感に恵まれているように思われがちですが、実際には“動きのなさ”“重さ”という悩みを抱えやすい面もあります。
そんな悩みを解消するための選択肢として、弱酸性パーマでつくる“くるっとふんわり”スタイルは非常に有効です。

今回の事例では、カットラインの重さを解消し、根元から自然な立ち上がりを与え、中間~毛先に優しいカールを残すことで、可愛らしく軽やかな印象を実現しました。
仕上がりの変化だけでなく、毎日のスタイリングのしやすさ、気分の変化も得られたというお客様の声は、私たち美容師としても大きな励みになります。

もしあなたが、直毛で「動きを出したい」「ふんわりした雰囲気になりたい」と思っているなら、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの髪質・ライフスタイルにぴったり合ったスタイルを一緒に作っていきましょう。